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ひらめき☆マンガ教室 第5期 課題4 完成稿感想 #ひらめきマンガ

課題4完成稿、全5作品の感想を書きました。順番は名簿順です。感想へのリアクションはいつでもおまちしていますので、ぜひぜひください。大塚

最終更新:2022/07/31_16:53

全5作品感想

葉野赤さん「ゲンコさんの結婚(?)」

あのひとの浮いたはなし | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 完成稿になって、主人公とゲンコさんのキャラデが大変良くなっていると思った。ゲンコさんの意外にかわいい系のファッションもいいが、主人公から漂うやさぐれ若者感が特に気に入った。
 ただ、完成稿になって少し気になるようになったのは、ゲンコさんが何故結婚をしようと思い立ったのかということと、主人公とゲンコさんがお互いにどれくらいの年齢なのかということ。抜けているようでしっかりしているはずのゲンコさんが思い付きで結婚しようとするとは思えないのだがどうだろうか。また主人公とゲンコさんの年齢差は、主人公がゲンコさんを一目見てどんな人だと思ったのかに関係しているように思え、少し気になった。これについては個人的な感覚なのかもしれない。
 とはいえ、雨に濡れているゲンコさんなどビジュアル的にもよく、内面的にもゲンコさんの魅力が伝わってくる大変良いマンガだった。

 

qjinさん「竹取物語

竹取物語 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品はかぐや姫が翁にちゃんと感謝を伝えていて、その内容もたどたどしいものでたいへんよかった。こういう演出があると、一読者的には、この作品を作っている人はよくわかっていると感じる。ただオチの部分は、これはどう受け取ればいいのだろう。猟奇的なオチにも映りちょっと笑ってしまったのだが、星新一SSのオチのような読後感を受け取るとよいのだろうか。それとももっと現実への皮肉(現実のドルオタが押しを次々乗り換えていくことへの揶揄)として受け取っておくべきだろうか。かなりいい作品だと思うのだが、そこがちょっとわかりづらいところが惜しい感じがする。

 

滑川王手「高橋の消しゴム」

高橋の消しゴム | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 なんだろう。ネームのときも思ったのだが、これはこれで面白いのだけど、最後消しゴムになってしまったことを喜んでよいのだろうか。いやきっとこれで良いのだろう。個人的には輪廻転生するところを視覚的に見てみたかったようには思う。この、出来事が意味不明に起こる感じには2001年宇宙の旅的なシュールな映像を思わずおもいうかべてしまう。

 

いとしろたかやさん「珈琲とシュガー」

珈琲とシュガー | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品は、完成稿になって二人の関係がよくなった作品だと思う。とくに女性の方がキャラクターが立った印象だ。(実際にネームと比較すると、女性の表情に多くの修正が入っていることがわかる。)12pから14pにかけてのやり取りが二人とも真剣なところが個人的には好印象だ。
 ただ、完成稿としてはベタがないことが残念。勝手な意見だが、どこかで改めて完成したものを読んでみたい。

 

たにかわつかささん「がんばった日」

がんばった日 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品は、ネームの時は特に感じなかったのだが、タイトルにもある”がんばった”にやや肩透かしな印象を持った。ネームの時はある一日の様子(たまたまサンプルされた一日)を描いていた印象だったが、このマンガでは何か特定の一日(描かれるべくして描かれた一日)を描いているような印象を持つ。ただ、おそらくこれはマンガとしてちゃんと描こうとした結果の形だと思うので、そこは難しいなとも同時に思うところ。
 作者の方の中で作品の方向性がいつ変化したかわからないが、やはり、元々何でもない一日だったところに「がんばったね」と言ってもらえたのがよかったのであって、がんばらなかったなあと自覚している日に同じように言われても、あまり心には響かないのではないだろうか、というのがこの作品に対するわたしの感想だ。