玄関先の言葉置き場

主にひらめき☆マンガ教室の感想用。メッセージ等はおたよりフォームへいただければ、配信でお返事します。

ひらめき☆マンガ教室第6期 課題8感想 #ひらめきマンガ

 作品の感想を書きました。順番はひらめき☆マンガ教室の名簿順です。こちらの感想配信で内容の補足説明をしていますので、感想の詳細やニュアンスが知りたい方はそちらも参考にしてください。よろしくお願いします。大塚

全9作品感想

形井中へいさん「朝熊会長は絵が描けない

 このマンガは以前に比べて主人公が気持ち悪くなっており、がんばって描いていると思う。一方、まだひとつのマンガとして硬い感じは残っているとも感じた。もともとのマンガの講評で主人公のリアクションの弱さへの指摘があったが、個人的にはこの改稿でもまだ主人公のリアクションは足りていないように感じる。ただ、硬さを抜くことはそう簡単ではないとは思うし苦労して描かれていることは伝わってくる。なにか、作者さんの中での方法が見つかるといいと思うが。


深田えいひれさん「[課題3改稿]選ばれし者:Re

 このマンガは話の流れはわかりづらかったのだが、なんだかおもしろげだと思った。主人公が女神との接触でちゃんとドキッとしてくれているところがいいのだと思う。一方、剣を抜いた主人公ではなく女神がむしろ剣を持って旅立ったというのはこの作品のアイデアの元ではあると思うのだが、4pでの表現だとどういう状況かがわかりづらいと思った。4pマンガとしては少し設定過多なのかもしれない。ただ、このマンガは気が抜けて個人的にはよいと思う。

 

ぼんち。さん「シちゃった。改稿

 このマンガは改めて読んでこれはいいマンガだなと思った。主人公の女の子がかわいい。元のマンガと見比べると、絵がやわらかくなっていて主人公の女の子の感情に自然に入っていけるように感じる。また個人的に、構図やコマ割りだけでなく一つ一つの絵の力や説得力がマンガにとって大事なんだと思わされた。それだけよい絵になっていると思う。この方向性で問題ない変更の加え方だと思うので、今後もこの調子でがんばってほしい。


はやしなおとさん人見知り人魚

 この作品は内容もちょうどよいくらいのもので、絵もとくに2pの目に力があってよかった。なんだか読みやすいというか、ここを読めばいいんだな、とわかる表現だと思う。ただ細かい話だとは思うが、画面が白いこともあいまって1pと2pで線が違っていることはどういう意図だろうかとは気になった。これはまだ未完という感じなのだろうか。とはいえ、これはこれでよいマンガだと思う。

 

藍銅ツバメ(らんどうつばめ)さんなんとなくネクロマンサー

 この作品は悪くないと思った。元のマンガもよかったが、こちらのように大ゴマを使うとより情緒的に感じられて、個人的にはこちらのほうがよいと思う。また、細かい部分だが背景の書き込みが増えているところも読み応えが増していると思う。一方個人的には、6,7pでは大ゴマでの台詞があってそれはよいのだが、受け止めがなにか用意されていてほしいようにも感じた。バランスに対する好みの問題だとは思うのだが、こうはっきりと好意を伝えられたら主人公が実際にそれをどう思っているのか見てみたい。ただ、元のマンガと比べてこちらのマンガのほうが表現したいことが乗っていて、個人的にはこのほうがよいと思う。

 

藤原 ハルさん「きらいなあのこ(改稿)

 このマンガは非常によくできていると思う。元のマンガもよかったが、こちらのほうがキャラクターが尖っていて印象に残るように感じた。一方、個人的な好みをいうと、陽キャの女の子が主人公を追いかける以前のバージョンでの展開のほうがやさしい世界で好みだったかなとは思った。このマンガでは、教室に戻った主人公が自分にとっていやなことを耳にする(そしてそれに特に触れられない)ので少しかわいそうだなと思った。ただ、このマンガはこのマンガでちゃんと話の筋があって成り立っていると思うので、展開に対する好みの問題だと思う。そもそも、こうして元のマンガの別のバージョンを作ろうという気概があること自体がよいことだと思う。

 

たにかわつかささん「ばあちゃんの家の竹の花(改稿)

 このマンガは、個人的に元々からして絵がきれいでキャラクターの造詣が気に入っていて、今回もさほど印象がかわらずこれはこれでよいマンガではないかと思った。ただ、元のマンガに比べて暗い側面を取り入れてよりドラマチックな方向を目指したのだと思うが、そのためにはもっともっと後ろ暗い部分を組み込まないと難しいとは思う。方向性は間違っていないと思うので、今後もぜひがんばってほしい。

 

ヤギワタルさん「ファクトチェックするトラベル(改稿)

 このマンガはがんばって描いていると思った。元々のマンガからこれだけ変化を加えていることはすごいと思う。内容的にも悪くはないと思うのだが、ただ、実際に観光地がニセモノだったのだとしてこういう奇妙な事態にはなりえるのか、と疑問は感じた。マンガとしてはよくできていると思うのだが、なんだかわかりづらい内容だとは思う。

 

山岡兄弟さんいつもここにいるよ

 この作品は以前のものとあまり感想は変わらないかなと思う。なかなかよい内容だと思うが、ただキャラクターに焦点が当たらず引っかからないなとも思う。もしこれを引っかかる内容にさせたいなら、死をめぐるアイデアをうまく使ったまま、話自体を組み換えることが必要になるような気がする。