玄関先の言葉置き場

主にひらめき☆マンガ教室の感想用。メッセージ等はおたよりフォームへいただければ、配信でお返事します。

ひらめき☆マンガ教室第6期 課題10ネーム感想 #ひらめきマンガ

 作品の感想を書きました。順番はひらめき☆マンガ教室の名簿順です。こちらの感想配信で内容の補足説明をしていますので、感想の詳細やニュアンスが知りたい方はそちらも参考にしてください。よろしくお願いします。大塚

全21作品感想

形井中へいさん「スリットハンター トレイン編

 この作品は、実写部分もあり内容も少し性的に攻めた意欲的な作品で好感を持って読んだ。個人的にはオチの驚きもあって楽しめた内容だったが、お話としては主人公の観察に物語が終始しているのは気になる部分とは言えるかもしれない。ただ、トンチが利いていてアイデアも勇気もあるよいお話しだと思う。

 

明青りんご(あおりんご)さん「消える

 この作品は、個人的には今回の課題の中で一番感心させられた作品だった。11pから12pにかけての「あれは/消せるだろうか」「消したほうがいいだろうか」という主人公の微妙な思考の流れと戸惑いの表現がグッときた。一方オチ付近は流れがわかりづらい。結局この主人公は最終的にどうなったんだ、続きを読ませてくれ、と思っている。


アキオさん「別れ話

 このお話は、お話としてはもう少し起伏がほしいとは思うがこれはこれで雰囲気のある作風だと思った。個人的な好みとしては、この男の子の印象が変化したとされる前後の姿がさらに見てみたいところだ。

 

阿山カンフーさん「大車輪

 このネームは、もうしわけないが自分にはちょっとよくわからなかった。勢いはあると思うのだが内容のつながりがよく見えていない。車椅子の主人公が元競輪選手が麻雀を打っていることになにか意味があったりするのだろうか。

 

深田えいひれさん「虚弱ジム

 このネームはよいと思う。ぶち抜きのコマ割りやとにかく女の子の胸や尻を何度も登場させているところなど構図やコマ割りに工夫を感じる。内容もしっかりくだらなく、面白いマンガだと思った。もしかすると、個人的に今回の課題作品のなかで一番よいと思ったネームだったかもしれない。この作品はぜひ完成したところが見てみたい。

 

ぼんち。さん「忘れねぇからな。

 この作品は感想が難しい。内容に対してベタに「きっとつらかったんだな」という感想を持つ一方、「(事情を知らない読者として)本当にそう安直に共感していい内容なのだろうか」と、受け取りが安定しない印象を受けた。内容的に踏み込んで考えてみようと思ったのだが、それが難しいような感想を持っている。赤の他人があまり立ち入ってはいけないことがなにか描かれていると感じたのかもしれない。

 

ひむかさん「はろー!わーるど

 この作品はびっくりした。最初は読者を少しだけ実写を取り入れただけかと思ったのだが、実際にはほぼ全ページに実写があってこの徹底ぶりはすごい。実写部分の構図がよくリズム感があるマンガだと思う。この作者さんの能力が単なるマンガ以上になにか発揮されている作品に思える。ただ、個人的にオチは投げっぱなしに感じる。そこは惜しい。

 

はやしなおとさん(タイトルなし)

 このネームは疾走感があると思った。おもちゃにしてしまう超能力が色々想像が膨らんでなかなかよいと思った。ただ、終わりきっていないようなので、全体としてどういうものなのかはよくわからない。なにがどうなるお話だったのだろう。

 

ほりい泉さん「ループする異世界

 この作品は普通のマンガとは違うと思うので感想が難しい。悪いものではないと思うが、今までにないものがきてうまく反応できていない、というのが率直な感想かもしれない。うーん感想。ひとまず自分にはゲーム自体は難しくてクリアできなかったが、でも楽しかった。「主人公はあなたです」的な表現(メタ的な表現)はちょっと食傷気味だと思ったが手厳し過ぎるだろうか。

 

あい乙いなびこさん「悪魔

 この4コマ漫画は、前回の課題作品と同じ感想になってしまうが、これはこれでいいと思うがこれだけだとあまり意図が汲み取れなかった。なにか表現したい内容があることは感じるのだが具体的にどういうものなのかはあまりわかっていない。

 

桐山さん「本当の自分

 この作品はお話のアイデアは面白いと思ったが、SF設定のスケールの広さに対して主人公の悩みが小さいように感じた。実はロボットだったという設定だけなら主人公の葛藤や悩みはわかるのだが、それに加えて人類が滅びた世界ともなると内向きな葛藤は起こらないのでは?(葛藤をぶつける周りの人間はもういないから)と感じた。もしかすると、なにか設定の狙いがあって自分がうまく読めていないだけかもしれない。


七井一汐(なないつ)さん「死に方

 このネームは面白いと思う。話としてもう少しまとまりきってほしいようには思うが、絵的なイメージ(目玉や血)が話の流れにちゃんと絡んでおり読んでいて想像が膨らんだ。またこういう内容は男性同士の恋愛を想起させる感情として描かれるのが合っているとも思った。ただ、話の終わり方にはなにかもう一ひねりあると一読者的にはうれしい。

 

中山懇さん「なんでマンガなんかやってんのか。

 この作品は、作中で登場する絵はすごいと思った。ただ、こういう内面の吐露をする内容は自分はあまり興味がないと思った。自分の読解力不足だとは思うが。とはいえ、好きな人は好きな内容だと思う。

 

藍銅ツバメ(らんどうつばめ)さん「文字まみれ

 この作品は面白かった。説明が難しいが、全て文字で表現しているにもかかわらず、物語としての基本的な構成を崩しておらず意外と読めてしまうところがすごいと思う。個人的に言葉での表現内容も面白かった。犬の説明で「犬がこの世にいるならば愛は存在するかもしれない」と普通はあまり説明しないだろう。言葉遊びがお話の骨格の中で殺されずにコントロールされていることの気持ちよさがある内容だと思う。

 

くまのぶさん「

 この作品は、演出が丁寧で空気感がよい作品なのだが、あともう一歩内容があってほしいと思った。自分には主人公の小紅が雪に感動するのだろう、と展開が読めてしまったところがあり、小紅が雪に出会うことがさらにストーリー上の意味を持っていたらと思う。ただ、今までの作品に比べても丁寧さがコントロールされている感じがあり、作品作りがよくなっていることを感じている。

 

大須健さん男の萌え袖が許せない。殺す。

 このお話はおもしろげではあると思ったのだが、ちょっといろんな要素があってごちゃごちゃした感じがあっただろうか。面白いような気がするのだが、うーん。たぶん男性の主人公がいつも同じような感じに映るのだと思う。これはこれで一つの作風だとは思うのだが。

 

藤原 ハルさん「部屋の恋

 このマンガは壁の勢いのある登場や家主の再登場でのオチなど、人物を使わない構図によるリズム感がよかった。また、今回のお題への答え方がいいマンガだと思う。たしかにこの内容は商業を目指す場合には描かれない内容で、こういう機会にふさわしい内容に思える。

高月晃太さん「ねえ ワンピース

 このネームは、個人的に絵がきれいで気に入った作品だった。いままでと違うタッチの絵柄で、関連して内容もいままでと少しテイストが違っているように感じる。内容的には、ワンピースを使っているところがなぞにディティールが深くて面白いと思う。ただ、それを使ってどういう表現をしようとしているのかまでは自分にはうまくつかめないとも思った。宗教のメタファーとしてワンピースを用いているとのことだが、なんだかそれ以上の意味を感じさせる(読者が勝手に想像してしまう)雰囲気があると思う。


たにかわつかささん「巨大なるセーラー戦士

 このお話は、発想はいい作品だと思った。たしかなフェチがあってよいと思う。ただ、なんとなくもったりとしているようにも思った。内容は悪くないのだが、もっと早々にヒロインが巨大化したり、主人公はあっけらかんとスケベでいいのでは?と感じた。それとも、読めていないだけでなにか意図があったのだろうか。

 

ヤギワタルさん「いま注目のアイドル

 この話はなかなかいいのではないかと思う。あきらかに語られていない内容があるお話で、おもわず作中の事実を想像してしまった。ネームの段階だと少し話と話の間が飛んでいるような感じもするのだが、場面の動きのある内容で完成するとしっくりくるのではないかと思う。


山岡兄弟さん「はじめてのSEX

 このマンガは冒頭からバカな始まりかたで終始バカで面白かった。AI絵の微妙な上滑り感をリズムのよさに転用していて面白いと思った。個人的にはこういうバカな内容を全力でやっているマンガは好きだ。