作品の感想を書きました。順番はひらめき☆マンガ教室の名簿順です。こちらの感想配信で内容の補足説明をしていますので、感想の詳細やニュアンスが知りたい方はそちらも参考にしてください。よろしくお願いします。大塚
全14作品感想
形井中へいさん「志摩先生とうるるちゃん」
女の子の表情をたっぷり表現していて、また主人公とヒロインの関係をめぐるストーリーもちゃんとまとまりがある、いい作品だと思った。ネームとしてケチがつくような部分もあまり見当たらない。すでに良い内容だと思う。ぜひ完成目指してがんばってほしい。
明青りんご(あおりんご)さん「聖夜の女」
展開が練られていて、物語を成立させようとしていることが伝わってくる作品だと思った。個人的に、女性がナイフを持ち出してきて殺してやる、と意気込むところは、不穏な内容が来た!とテンションがあがったのだが、実際は平和な展開につながっていくので、予想が外れたというか、なるほどと納得してしまった。それとは別に、この男女二人の関係(もしくは主人公)にもう少し具体的な変化や固有な展開がほしいようには思う。決断して終わるのではなく、決断がどういう結果を呼ぶのかまで見せてもらえると印象に残っていくのかなと思う。ぜひ完成に向けてがんばってほしい。
ぼんち。さん「男にしたげる。」
企画として面白い作品で、女の子が実は…という部分は読んでいてびっくりした。ただ、もっと早くその情報に出てきてほしいとは感じた。まだこのネームだと設定の開示で終わっているように思えるが、この二人のすれ違いエピソードを読んでみたい。個人的には手直しがあるともっと面白くなりそうな内容だと思う。ぜひがんばってほしい。
ひむかさん「プリンセスを探して」
女性にとっての女性のやっかいさを描くテーマが意欲的だと思った。あまり内容はちゃんと読めているとは思えていないのだがなんだか気になる。ただ一方、主人公の問題解決が自己解決しているせいか、話の内容は入ってきづらい。いいテーマだと思うのだが、取り扱いが難しいテーマなのだろうと思った。冒頭が3人キャラクターが登場してわかりづらかったりするので、なんらか組み立ての部分に手をつけたほうがいいのだとは思う。こういう内容は個人的に応援したい。ぜひがんばって完成してほしい。
はやしなおとさん「日本とドイツのモノレール乗り比べてみた」
おしゃれな内容だと思った。あまり自分では思いつきそうにないテーマだ。ただ、ちょっと駆け足だとは思った。4,5ページは主人公の言っていることが半分も理解できていない。それでお話が終わってしまうのでもったいないなと。知識欲を満たす内容だと思うので、少し重くなってもいいから教訓パートをじっくり読んでみたいかなと思う。
あい乙いなびこさん「怪物」
勢いがある内容で面白いと思った。ただ、前作もそうだったが、世界観はよくわからない。悪魔だとか地獄だとかに設定的なもの以上の意味がもう少しほしいだろうか。短い中でまとめるのは大変だとは思うが。
やながわけんじさん「オタクに優しいギャルの兄ちゃん」
これだけキャラクターをちゃんと描いている作品は珍しいと思った。いろんな部分でこの兄の気持ち悪い部分が登場していて関心しながら読んだ。一点、タイトルの「オタクに優しいギャル」要素は弱いと思ったが、細かい話なのだと思う。この作品は完成が今から楽しみだ。
中山懇さん「姉は人魚姫、40歳。」
今までの課題のブラッシュアップ版とのことでコメントが難しいが、作品自体はよいと思う。きれいな作品だと思う。ただ、この作品があえて再録に選ばれているところの意図はあまりわかっていない。わざわざ選ばれているということはなにか理由があったのだろうか。実際に完成したところを見ないとなんともわからないのかもしれない。
藍銅ツバメ(らんどうつばめ)さん「あらゆる文士は娼婦である」
この作品はとにかく面白かった。3人目の彼の登場の勢いといい、最後のグズグズ感といいとにかく面白い。個人的に作品のボリュームがそこそこあるのもうれしかった。ぜひ完成をがんばってほしい。
くまのぶさん「小食二郎訪問 ~環七一之江店~」
のんびりした良い内容だと思ったが、コマが若干小さくて読みづらいようにも思えた。ただ、ネームの段階なのでそう感じているだけかもしれない。こういうレポマンガはこれはこれでいいような気もする。この作品はペン入れ次第で印象が変わりそうだが、このネームの印象よりもしっかりした作品に仕上がるのではないかと想像している。ぜひ完成向けてがんばってほしい。
テンポがよく、内容も悲しさと馬鹿さがあって面白かった。最後のエピソードの無声演出がシュールで特に面白い。ただ、全体として読むとちょっと長いようにも思える。一つ一つ面白いのだが、思い切ってどれかエピソードを削ると読み味が軽くなるのかもしれない。とはいえ、持ち味がよく出ている内容だと思う。ぜひ完成に向けてがんばってほしい。
高月晃太さん「なかなかキスしないカップル」
この作品はとてもよかった。シンプルな展開がわかりやすく、その中で少しずつキャラクターらしさを描いたり、クスッとなるようなシーンがあったりと、マンガとしての厚さを感じる作品だった。特に家に帰ってお互い連絡を入れるオチがいいと思う。ぜひ完成したものをまた読ませてもらいたい。
ヤギワタルさん「子育てがしやすい街」
怖い、つらい、と思う話だった。個人的にはあまりピンと来ていない部分もあるが、展開がスムーズでいい作品だと思う。しいて言うなら離婚を告げるオチは納得したのだが、急に終わってしまったようも感じた。だけどそのスパッと終わるところも作風なのかなとも思う。ぜひ完成に向けてがんばってほしい。
山岡兄弟さん「パティスリー・ヨシダ」
読み応えがあるとは思ったのだが、すこしずつ説明が親切ではないところで引っかかってしまった。この作品特有の用語の意味がわからず読み返したり、作品の中心にあるお菓子が結局なんだったのかがよくわからなかったりしていて、結局どういう内容だったのかあまりわかっていない。もう少し固有のエピソードが読んでみたい、というのが率直な感想だろうか。