玄関先の言葉置き場

主にひらめき☆マンガ教室の感想用。メッセージ等はおたよりフォームへいただければ、配信でお返事します。

ひらめき☆マンガ教室第6期 課題3ネーム感想 #ひらめきマンガ

 作品の感想を途中まで書きました。残りの作品は後日また感想を追加します。順番はひらめき☆マンガ教室の名簿順です。こちらの感想配信で内容の補足説明をしていますので、感想の詳細やニュアンスが知りたい方はそちらも参考にしてください。よろしくお願いします。大塚

全28作品感想

形井中へいさん「MP0の魔法使い」

MP0の魔法使い | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は画面的にはすっきりしていて読みやすかったのだが、内容としてはもうちょっと何かほしいとも思う内容だった。プロレス技をかけるところはキマっていると思うのだが、これはいったいなにがどうなった話なんだろう。発想はアホっぽくてよいと思うのだが。

 

明青りんご(あおりんご)さん「言え、わたし!」

言え、わたし! | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は主人公の女の子がかわいかった。なにかに一生懸命だったり、勢いで想定外のことをしてしまったりするキャラクターはいいと思った。ただ、もう少し全体に整理がされると良い内容だとは思う。個人的には、告白しようとして言いよどむの場面にもう少し早く入ってほしい感じがする。とはい、話の筋としては全然おかしくないし普通に楽しめる内容だと思うので、ぜひがんばって整理して完成させてもらえるとうれしい。

 

アキオさん「衝突」

衝突 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 ベタな感想だが、この作品は人が事故を起こしてしまったときのどうしようもなさがよく描かれていると思った。それまで現実を受け入れられなかった女性が自分の罪を受け入れるところは心を打つ内容だった。個人的にはこの作者さんの今までの作品と比べても話としてよく練られていると思いつつ、ただ、キャラクターの動きは少し唐突だとも感じる。さらに重要な場面にページを割いたりと、もう少し場面に強調があると、ここを読んでほしいのだとわかりやすくなるのかもしれない。話の中身がある作品だと思うので、ぜひ完成を目指してほしいと思う。

 

赤い氷さん「人間」

人間 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は、個人的には嫌いではない話だった。見せ場の15pの死体を食べるコマがよくキマっていると思う。ただ、普通の感想になってしまうが、何の罪もない人間が主人公によって殺される内容なので、もう少しこの作品世界の倫理観に対する納得感や説明がほしいとも思う。スライムの形をしているのでなにかこの世界観特有の理屈が通っていると思うのだが、この内容だけではそこはうまく判断がつかなかった。とはいえ、個人的には捕食シーンが特に魅力的に映り、不足があるというとその辺りくらいしか思いつかない作品でもあった。

 

阿山カンフーさん「粗忽病棟」

粗忽病棟 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品は内容のよさがある作品だと思う。死ぬ間際に男性が男性の胸を触って笑いあって死ぬ、というところが絶妙な場面選びになっていて、ひとことでは言い表せない余韻がある作品だった。ただ一方、作者の方がアピールで書かれているように、マンガとしてはちょっと読みづらいとは思う。この作品をどうすると読みやすくなるのかなんともわからないが、完成形が気になる作品ではあるので、ぜひ最後までがんばってもらえたらうれしいと思う。

 

ばやし あきやさん「僕はカノジョに触れられない」

僕はカノジョに触れられない | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は、おもしろそうな内容ではあったのだが、もう少しなにか出来事が起きてほしいと思う内容だった。超能力の設定は面白かったのだが、せっかく設定があるなら主人公が女の子と実際に手をつなげたときにどんなことが起こったのかが描かれていてもよいのではないか、などと思った。主人公が殴られながら告白を受け入れてもらえるところなど、アイデアとして面白い部分がある作品だと思うので、なにかこの内容を生かす形で完成まで持っていってもらえるとうれしい。

 

深田えいひれさん「選ばれしもの」

選ばれしもの | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品は面白かった。女神さまが口が悪くなるところがギャップがあって楽しい。内容的にも4pマンガとしてはちょうどよいくらいの軽さで、これはよい作品なのではないだろうか。しいて言えば、オチが「あの人のほうが適任」「魔王みたいな威圧感」「世界は救われた」と一コマの情報としてはちょっと情報が多いので、なにか軽くなるように整理されるとよいとは思う。普通に面白そうなので完成稿が楽しみな作品の一つだ。

 

ぼんち。さん「シちゃった。」

シちゃった。 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品は、個人的に今回の課題作品の中でも楽しく読ませてもらった作品の一つだった。読んでいてその場にいるような感じがあり、主人公のドキドキ感やアイテムの解像度の高さにぐいぐい引き込まれる感じがあった。一方、特に冒頭の部分はどういう状況から始まっているのかはちょっとわかりづらかった。オチが結局男性と致さない内容になっているのもこれはこれでありだとは思うが、個人的には主人公と男性が元々どういう関係だったところが変化したのかもっと知りたいと思うオチだった。とはいえ、なにか読み手を牽引する力を感じさせる内容で、好感を持つ内容だった。

 

中山懇さん「俺の性的問題と彼女の事情」

俺の性的問題と彼女の事情 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品は感覚的には面白そうなことをやっているとは思うのだが、個人的にはちょっとよくわからないという気持ちが先行する作品だった。なんだか熱い展開だとは思うのだが、ただ、読んでいる側としてはうまくついていけない感じだった。なにかこの作品世界のルールがあると思うのだが、そこをもう少し丁寧に説明してもらえたらわかるような気がする。変なことをやっていて、それがよいとも言えるしそれゆえによくわからないとも思う、不思議な作品だった。

 

ひむかさん「not princess but hero」

not princess but hero | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この話は王道な展開を踏んでいる話でよかった。ただ、これは自分が男性読者だからかもしれないが、8pでウルスラが”おうじさまじゃない”と気づく場面付近は、相手が結局はかっこよく描かれるためか場面の意味がよくわからなかった。最終的におじ様に連れ去られてしまうのも、姉妹たちへの別れは必要ないのだろうかなどと、ちょっとうまく入っていけない感じが個人的にはある。ただ、たぶんこれは自分が読めていないだけだと思う。きれいな雰囲気のお話で、こういう読者のして欲しいことをしてくれるお話はよいと思う。今後もがんばって欲しい。

 

きぬばりさん「本草狂!久佐の煎じ薬」

本草狂!久佐の煎じ薬 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は本格的な題材ですごかった。ただ、ちょっとお話としては詰め込んである印象も受ける。たとえば15pのキスシーンは画面としてはよいのだが、ストーリー的な必然性がもう少し欲しいかなと思う。とはいえ、こういうはっきりした専門分野がある作品はそれだけで読んでみようと思えてこれはよかった。今後もぜひがんばって欲しい。

 

あい乙いなびこさん「お酢

お酢 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品はよくわからなかった。せめて前提としての二人の関係が明示されているとか、この二人に最終的にどういう変化があってほしい内容なのかなどがわかるとよいと思うのだが。なんとなくシュールなことがしたいのかとも思うがそれもちょっとわからない。

 

かわじろうさん「ロボ」

ロボ | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この話はうまいやり方をしているとは思ったし、個人的にもこの作者さんの作品が読めてうれしいとは思ったのだが、ただ、ちょっと内容が中途半端な印象を受けてしまった。おじさんが「人間の気持ちがわかるようにしてやろうか?」と声をかけているのに実際にはそれはまやかしだった、という話になっていてそのあたりがうまく飲み込めていない。個人的には魔法は魔法のまま種明かしをしないでいてほしかったと思ったのだが、それも好みの問題なのかもしれない。良し悪しは置いておくとしても、どうしてこういう種明かしをして終わる形のオチになったのだろうと気になる作品だった。

 

やながわけんじさん「私立は友達じゃない」

私立は友達じゃない | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品は悪くないと思うのだが、お話としてはもうちょっと女の子によりそった話にして欲しかった。14pの指をなめるシーンが画面的には映えるのだが、一方でヒロインがエロい必然性が弱いというか、わりと内容が良い話でかつ低年齢的な感性を使った内容なので、エロ要素を盛り上げに使うのはこの場合あまり合っていないような、と個人的には思った。ただ、ここはマンガが説得してくれればそれでよいとも思うので、完成してみないとなんともわからないのかもしれない。個人的にはこの二人にどういう関係に落ち着いて欲しいのか、もう少しわかる内容になるとよいのだと思う。

 

桐山さん「そこにAIはあるんか」

そこにAIはあるんか | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品はAIへの問いとネットを介したリアルへの問いのフリとオチが二重にしっかりしていてよかった。個人的にはテーマになっているAIグラビアも女装男子も、それぞれ特に興味はないのだが、これだけしっかりしている構図があるとちゃんと面白く読める。とてもよくできた内容で言うことないと思うが、もしここからさらに工夫をというと、最初の3pがわりと読み手を選ぶ描写になっていると思うので、ここでなにかフックになる要素があると、不特定多数の人に読まれるものとしてはいいのかもしれない。この作品は個人的にも痛快で楽しく読ませてもらったので、ぜひ完成稿をがんばって欲しい。

 

カネゴンさん 「趣味」

趣味 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この話はオチが意外で面白かった。ただそのオチに至るまでがちょっと長いとも思う。なにか、このオチの意外性を生かせる整理の仕方がありそうだが。お話作りは何回もやってみてつかめてくると思うので、ぜひ今後もがんばって欲しい。

 

mangatime007さん「ご機嫌いかがですか 敬丘千鶴さま(2通目)」

ご機嫌いかがですか 敬丘千鶴さま(2通目) | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この話はアピール文にあるシナリオを読むと意味はわかったのだが、ネームだけでは内容がうまく読み取れない話だった。基本的には場面が跳ぶところで内容がわかりづらくなっているように見えるので、一つ一つの場面がなにを表している場面かわかるようになるとよいのだと思う。ただ、状況の設定やキャラクター同士の関係はよいと思う。自分が作りたいものは自分でしか作れないので、ぜひ踏ん張って作っていって欲しい。

 

七井一汐(なないつ)さん「2人の孤独」

2人の孤独 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品は個人的に今回の課題作の中でも特に印象に残る作品だった。現実に対する洞察力がある内容だと思う。個人的に好きなマンガなので距離を測るのが難しいのだが、あえていうなら、個人的にはキャラクターの心情が少しわかりづらいところがあり、もう少しアザのあるこの世界のリアリティが知りたい内容だったとはいえると思う。
 特に、男性として男性には触れられないカイの”人を愛し合えないまま死ぬのかな”という気持ちがちょっと遠く感じた。もしかしたら彼はゲイだったりするのだろうか。もしそうであったとしても、この世界において男女で同じ症状が起きた場合気になってくるのは女性が男性と愛し合えないことの問題ではないはないか、と個人的には思うのだがどうだろうか。実際に触れるとどうなるのかが描かれると、キャラクターの心情やこの世界のリアリティ含め説得されるのだと思う。(もしかすると”触れると死ぬ”という設定が強すぎるのかもしれない。)個人的にこういう洞察力がある作品は好きなので、ぜひ整理して完成させてもらえたらうれしい。

 

藍銅ツバメ(らんどうつばめ)さん「フルーツ王国のイチゴちゃん」

フルーツ王国のイチゴちゃん | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 この作品は、最初に読んだときよりも時間が経つにつれてよさを感じるようになる作品だった。なんといえばいいのか、世界観のかわいらしさと残酷さにギャップがあって、悲劇が単純な悲劇とも言えない内容で、キャラクターの葛藤なくさらっと描かれているところがよいと思う。(葛藤が描かれていないことで読み手が葛藤を受け取れるつくり、といってもよいかもしれない。)なんといっても5pの果汁をなめるシーンはすごい。わからないが、この作者にしか描けないものを読まされていると思った作品だった。

 

くまのぶさん「新しい春へのダンス」

新しい春へのダンス | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は個人的には華やかな雰囲気があってよい話だと思ったのだが、一方で主人公の喜びにもう少し共感できるつくりが欲しくなるお話でもあった。ヒロインに手を取られることによって主人公がダンスのトラウマを克服する流れがよく、それだけに申し訳なく思うのだが、そのためにはヒロインのキャラクターがもう少しストーリーに対して必然性を持っていて欲しいと思う。なぜ、このヒロインとの間でこそこの主人公は助けられる必要があるのか、ということに個人的には疑問を感じてしまったのだが、単にわたしにはこの内容がうまく理解できていないだけなのかもしれない。お話のモチーフもキャクラターの造詣も前作前々作に続いて魅力的で、こういう作風はそれだけでも持ち味だと思う。今後もぜひがんばって欲しい。

 

大須健さん「あのときの1000円を返せ」

あのときの1000円を返せ | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は、思春期にただ単に無碍にされた記憶に悩む内容で、個人的に共感がある内容なのだが、一方で話としてはなにか途中で終わっているような感じがしたお話だった。これはこれで読み手に感じさせる力がある内容だと思うのでその意味で描き方の不足はないと思うのだが、個人的には、この作品を読み終わってみて、主人公の感情のこの行き場のなさをどう受け取るとよいのか少し困る感じがした。ただ、これは人によって受け取り方が違う部分だと思うし、ひょっとするとこれを読んだわたしが自分の過去に対して整理がついていないことと無意識に重ねたために内容をうまく拾えなかったのかもしれない。作者の方自身が何度も取り組んでいる内容のようなので、特にこの作品は一般性みたいなことではなく、取り組んでいる側の納得感が大切だと思う。”自分がいいたかったことはこれだ”と思える何かが、作る側にも読み手にも見つけられているかが大事ではないかと思う作品だった。

 

藤原 ハルさん「ふ・れる」

ふ・れる | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このネームは細かい部分で面白い感じにさせる描写があり、個人的には楽しませてもらったネームだった。テンポのよい話の中にシリアスな内容と二人の関係をめぐる読んでいる側が恥ずかしくなってしまうような恋愛の内容とがうまく組み込まれていて、個人的にはこういうマンガがよいと思う描き方だ。と、ネームを読む限りでは肯定的に受け取ったのだが、まだネームの段階で個人的には状況がイマイチの見込めていない部分もあり、完成すると良くも悪くもまた印象が変わるようにも思う。でもそれを見越した上で言えば、これはスッキリしていていい内容なんじゃないだろうか。

 

高月晃太さん「恋人つなぎって気持ちいいの?」

恋人つなぎって気持ちいいの? | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は二人のやり取りがかわいいところに魅力があるお話だと思う。クライマックスになっている主人公のテレ顔がよくキマっていると思った。ただ一方で、会話で中身が続いているので個人的にはもう少し話を牽引してくれる味付けが欲しいとも感じた。特に話の受け手の宇野さんにもう少しハッキリした魅力があると、主人公にとっての相手に好意を抱く動機がわかり、内容への親しみやすさが上がるように思った。とはいえ、すでにこの作風が好きな人は好きな内容になっていると思う。個人的にも、この作者さんの作品を読むうちに、だんだんとどういうことを描こうとしているのかわかってきている気がするので、ぜひ今後もこういうかわいいキャラクターが出てくるお話を読ませてほしい。

 

東京ニトロさん「ハーツ。」

ハーツ。 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は設定も悪くなく面白そうな話だと思ったのだが、お話としては途中で終わっているようでちょっとよくわからなかった。実際に途中で描き終わっているのか、それともこれはこういうものとして完成形なのかもあまり判断がつかない。つらい出来事に悩む主人公が最終的にどこに至るのかがわかるとお話としてはよいのだと思う。がんばって欲しい。

 

たにかわつかささん「片岡さんのやらかいところ」

片岡さんのやらかいところ | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話はコンパクトにまとまっていてよいと思う。先の展開がある程度よめても楽しめるこういった作品は、個人的にはマンガとして好ましいと思う。一方で、やわらとその友達の佐々木のどちらが主人公なのかが少なくとも今のネームの段階では実はわたしはうまく読めておらず、単にわたしが読めていないだけなのか作品のほうが整理が求められる部分なのかわからないが、しかし読んでいて気になった部分だった。やわらの友達の佐々木が主人公、という理解でよかったのだろうか。個人的にはマンガらしくてよい内容だと思っただけに、だれの目線で読むといい内容かがもう少しわかったらうれしいと思うネームだった。

 

ヤギワタルさん「戻る権利」

戻る権利 | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話はオチがどうなるのかと思って読み進めていたのだが、そのオチが暖かさがある内容でよかった。納得感があり、読み手になにか感じさせる力のある内容になっていると思う。ただ一方で細かい話になってしまうが、タイムリープの設定がどういう設定になっているのかはちょっと気になった。10年前に戻れるというと再び父親との辛い10年間が戻ってくるだけなのではないか、とわたしは思ってしまった。たぶんここは作者の方にはなにか考えがあるはずだと思うのでなにか説明があるとよいのではないかと思う。個人的にも内容的にも深みがあり今回の課題作の中で気になったネームの一つなので、ぜひ完成目指してがんばって欲しい。

 

ねりけしさん「エピソードゼロ」

エピソードゼロ | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は「3人同時接触」を描くところが、描き方として面白いと思ったお話だった。ありふれた場面だとは思うが、改めて説明されると、人と人が新しく家族になる時にそういう特殊な状態が発生していることに気づいてびっくりした。一方で、話の中心になっている主人公の男性っぽいとされる名前については、ここは具体的な名前が欲しくなった部分だった。なにかそれっぽい名前が与えられていると読んでいる側としてはスッキリするのではないかと思うがどうだろう。とはいえ、描き方としては個人的には好きな作品で、こういう笑いと洞察が両方ある作品はよいと思う。

 

山岡兄弟さん「いつもここにいるよ」

いつもここにいるよ | 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

 このお話は、個人的には内容のよさを感じたお話で好印象だった。特に15pの「この目の前に私に似た命があれば/『死ぬ』なんて些細なことだったんだ」というセリフが個人的にはベタに感心させられたセリフで、なるほど、こうやって考えると家族やその死についての考えが整理できるのかと、考えに助けをもえらえたように感じた。一方で、これだけ内容がちゃんとあるものなら絵的にはもっと繊細な演技が求められるのではないかとも思う。個人的にはよい内容だと思ったので言い方が難しいが、この作画に対してどのくらいのお話だと納得出来るものになるのかという意味では、ちょっと難がある内容かもしれない。といいつつ、個人的にとても感心させられており、作品というのはそれで十分ではないかとも思うのだが。

 

2023/06/10 9作品の感想追加
2023/06/18 10作品の感想追加
2023/06/24 9作品の感想追加